箱庭療法・心理カウンセリング東京のセラピストが心理カウンセリングで大切にしていること

 心理カウンセリングの事例の発表会を聞いていると、セラピストと相談者の組み合わせの妙のようなものをいつも感じます。その相談者がそのセラピストを選んでやって来ているかのように感じられることがあります。セラピストと相談者がなんだか似た気質であったり、セラ
ピストの抱えている問題を抱えた相談者が来ていたり。
 先日、心理カウンセリングにやってきてくださった方の話を聴いていて、私は大学院の指導教官から言われたことを思い出していました。
 その方は、ある分野のプロフェッショナルを目指して修行中の方だったのですが、どの分野でも極めようと辿り着く境地は似てくるのでしょうか、指導教官の教えと重なる部分ばかりでした。私が思い出していた指導教官の言葉を書いてみたいと思います。

 

1 相手を操作しようとしない
相手になにかしらの印象を与えたくて、そのように振舞うこと。これは世の中で仕事をやっていくうえで必要な能力であるが、物事に本質的に関わろうとすると、逆に邪魔な能力となるようです。よく見せようとしない。
「相手を操作しようとしない」とよく言われました。

 

2 自分自身を使う
ユング派のセラピストのなかには、相談者と対して自分自身に湧き上がってきた感情などを治療に利用することがあります。私の指導教官はよくこの技法を用いていました。
自分自身を道具として、繊細にその場に反応する。

 

3 過去の感情を使う
自分が子どもの頃に経験した感情を、相談者の理解に用います。
子どもころの感情というのは、つまり純化した感情ということなのではないかと思います。それを変に抑圧せずに、見つめて、使えるようにします。

 

 セラピストとしてどういう態度でやっていけばいいのだろう、と考えていたときに、先に述べた相談者さんがやって来てくれました。表面的に取り繕ろうとしがちになっていたわたしに、基本的な態度を思い出させてくれたように思いました。その方が私に大切なことを思い出させてくれるために、そのタイミングでやって来てくれたかのように思えたのです。
 箱庭療法・心理カウンセリング東京にやって来てくれる人とお会いすることが、こちら側も学んで考えて成長させられることばかりです。